珍しい犯罪ランキングTOP10

6月14日(水)放送の『水曜日のダウンタウン』の中で、「適用されたことのない罪名、山ほどある説」と題して、過去のレア犯罪がランキング形式で発表された。

順位については番組調べで、弁護士3名への取材のもと、検挙数の少ない犯罪上位10件をリストアップしている。

ここではその「珍しい犯罪ランキング」について紹介していきたい。

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10位 決闘罪 13件

決闘罪とは、お互い合意の上で暴行を行い合った双方に適用される犯罪。決闘を申し込んだ人、申し込まれた人、決闘立会人、決闘場所提供者など決闘に関わった者に適用される。1か月以上~5年以下の懲役。

元々、果し合いや仇討ちを禁止するために明治時代に制定されたもので、もはや過去の遺物と化している。決闘の結果、相手をケガさせたり殺してしまった場合には、傷害罪や殺人罪と比較して刑が重い方が適用される。

9位 礼拝所不敬罪 7件

礼拝所不敬罪とは、神社・寺・墓地などの名誉や尊厳を害する犯罪。6か月以下の懲役・禁錮もしくは10万円以下の罰金が科せられる。

最近では、キリスト教の墓地で十字架を引き抜きその写真をFacebookにアップロードした行為や、墓地でヘアヌード写真を撮った行為などが不敬罪として検挙されている。

8位 説教等妨害罪 4件

説教等妨害罪とは、説教、礼拝または葬儀を妨害する犯罪。1年以下の懲役・禁錮もしくは10万円以下の罰金が科せられる。

妨害に関しては脅迫や暴力といった手段・方法は問わず、妨害行為が阻止されたとしても、説教等の遂行に一定の支障が生じれば罪となる。

6位 結婚目的略取・誘致罪 2件

結婚目的略取・誘致罪とは、結婚目的で人を誘拐する犯罪。犯人が被害者と結婚する目的だけでなく、被害者と第三者を結婚させる目的の場合も含まれる。1年以上~10年以下の懲役。

1999年には、電話帳に載っている女性に片っ端から電話をかけた男が、誘いに乗ってきた女性に対して結婚を申し込んだところ拒否されたため、脅して市役所まで連れていき婚姻届を出そうとした事件が発生している。親告罪のため、被害者が被害を訴えないと罰せられない。

6位 水道損壊罪 2件

水道損壊罪とは、水道管などを故意に破壊する犯罪。1年以上~10年以下の懲役。

破壊の程度が軽い(浄水の供給に支障が出ない)場合には、器物損壊罪が適用される場合もある。また水道管ではなく、水に何かを混入させるなどした場合には汚染罪が適用される。

4位 私戦予備陰謀罪 1件

私戦予備陰謀罪とは、外国に対して私的に戦闘行為(テロなど)をする目的で、準備や計画をする犯罪。3カ月以上~5年以下の禁錮に処される。自首した場合には刑が免除。

2014年10月6日、過激派組織イスラム国(ISIL)に参加するため、シリアに向かうことを計画した大学生に適用されている。この大学生は書店に貼られていた求人広告を見て志願したとのこと。

4位 外国国章損壊罪 1件

外国国章損壊罪とは、外国を侮辱する目的で国旗を破ったり燃やしたりする犯罪。2年以下の懲役または20万円以下の罰金が科せられる。親告罪のため、当該国政府の請求が無ければ起訴できない。

一般的には、公的に掲揚された国旗などを損壊した場合に限られ、私的に掲揚したものについては処罰の対象とならない。よくデモなどで国旗を燃やしている映像があるが、あれは燃やす目的で私的に作成したものなので罪にならない可能性が高い。

また「外国」とあることから、日本の国旗を燃やした場合にはこの犯罪に該当しないが、器物損壊罪には問われる。

1位 外患誘致罪 0件

外患誘致罪とは、外国と通謀して日本に対し武力を行使させる犯罪。刑罰は死刑のみ。

スパイ行為など外国政府と手を組んで、軍隊やミサイルなどで日本領土を侵略させた場合に適用される。戦争となるかどうかは問わない。

本罪での処罰者は未だかつて一人も居ないが、司法界においては有名な犯罪である。

1位 水防妨害罪 0件

水防妨害罪とは、水害を防ぐための土嚢などを故意に隠したり壊したりする犯罪。1年以上~10年以下の懲役。

実際に水害による被害が出たかどうかには関係なく、その妨害行為が行われた時点で罰せられる。また似たような犯罪に「消化妨害罪」というものがある。

司法試験でも出題されることがなく、法学部でも習うことのないレアな犯罪となっている。

1位 出水危険罪 0件

出水危険罪とは、ダムなどの水門を破壊する犯罪。2年以下の懲役・禁錮または20万円以下の罰金が科せられる。

水防妨害罪と同様、司法試験でも出題されることがなく、法学部でも習うことのないレアな犯罪となっている。

 

以上が番組で紹介された「珍しい犯罪ランキングTOP10」である。

出水危険罪や水防妨害罪、水道損壊罪など「水」に関する犯罪が多く、外患誘致罪や外国国章損壊罪といった「外国」に関するものもそれなりに見られた。

検挙数が少ないのは、犯罪の発生頻度自体が少ないというのもあるが、別の刑罰で代替されている場合も多いと思われる。